成年年齢の引き下げ
日本で「成年」の年齢は、明治時代から約140年間、「20歳」とされてきましたが、令和4年4月1日から成年年齢が「20歳」から「18歳」に引き下げられました。この引き下げにより何が変わるのでしょうか?
18歳になったらできること
これまでは、親の同意がなくてはできなかった様々な契約が、親の同意を得なくてもひとりでできるようになります。具体的には、携帯電話の契約、アパートなどの賃貸契約、ローンを組む契約、クレジットカードの契約などが挙げられます。住宅ローンの審査が通るかどうかは別として、不動産を購入したり、家を建てるための契約をひとりで結ぶことも可能になります。
これまでどおり20歳にならないとできないこと
飲酒、喫煙、競馬・競輪・オートレース・競艇などの公営ギャンブルをすることなどは、これまでどおり、20歳にならないとすることはできません。
成年年齢の引き下げについて注意が必要なこと
18歳といえば、学生であれば高校3年生で迎える年齢です。これからの高校3年生では、クラスに「おとな」と「こども」が混在するという不思議な光景が見られるようになるのです。18歳でも社会経験が豊富な方はいるかもしれませんが、一般的な高校3年生であれば、社会での経験も少なく、消費者契約等について曖昧な知識のまま、クレジットカードで安易に高額な買い物をしてしまう。未成年の同級生に頼まれて、成年となった自分の名義を貸してローン契約をしてしまう。などのトラブルに巻き込まれてしまう可能性もあります。
トラブルに巻き込まれないために
このようなトラブルに巻き込まれないためには、「未成年のうちから消費者契約等に関する知識を身に着けておくことが重要です」などとよく言われますが、私も高校生の頃には、自分が楽しいと思えること以外には、全く興味がありませんでした。高校生くらいの若者に「消費者契約の知識を若いうちから身に着けなさい!」と言っても、聞く耳を持たないのが普通です。そうなると、普段の家庭での親と子のコミュニケーションの在り方や、困ったことが起きそうな時に何でも相談をしてもらえる関係性づくりなどが、改めて重要になってくるのではないかと感じます。
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